飲む日焼け止めの原理とは??
紫外線によって起こる肌細胞の酸化
人の肌は、紫外線を受けると科学的反応によって肌細胞をつくっている原子に変化を起こし、〝フリーラジカル〟とよばれる物質を作り出します。フリーラジカルは活性酸素の一つで、直訳すると〝自由で過激な〟という意味ですが、その名称の所以は、他の原子のマイナス電子を奪ってその原子のバランスを破壊してしまうという過激な性質があるためです。この作用によって起こるのが〝肌細胞の酸化〟です。細胞の酸化はいわば細胞が錆びた状態にする作用であり、細胞の変形や死滅の原因になるため、身体にとって酸化を引き起こす紫外線は致命的な問題であるといえます。
日焼けは体の防御反応
この致命的な酸化の連鎖をくいとめようとして生成されるのがメラニンです。メラニンは褐色の色素ですが、この色素が肌細胞にゆきわたることで紫外線をブロックします。メラニン色素による紫外線のブロック力を証明するのが人種による肌の違いです。黄色人種は白色人種にくらべて皮膚がんの発症率が低いとされていますが、それはメラニンによる紫外線ブロックの効果のためだと考えられています。
酸化の連鎖を止めるのが〝抗酸化物質〟
酸化を防ぐためにメラニンが生成される、というのが日焼けの原理ですが、その酸化を防ぐことができるのが〝抗酸化物質〟です。飲む日焼け止めの主成分に〝抗酸化作用の強い成分〟が配合されているのはそのためです。抗酸化物質は細胞の酸化の連鎖を抑制する作用があるため、それによってメラニンの生成をおさえることができるので、結果として日焼けを防ぐことができるというわけです。
植物の色素のパワー
植物にも、メラニンと同様の働きをする色素を生成するものがあり、植物も色素によって紫外線の害から身を守っていると考えられています。植物の生成する色素成分は人の細胞を紫外線からブロックする作用があるとされており、飲む日焼け止めに色素成分が配合されているのはそのためです。ルティンと呼ばれる色素はマリーゴールド(オレンジ色の花の一種)などに多く含まれる色素ですが、紫外線に対する耐性がつよく、人に対して使用した場合には目の網膜の抗酸化作用や、目に入る紫外線のブロック作用などが認められています。トマトに含まれるリコピンも色素の一種で日焼け止めに配合される成分の一つですが、その抗酸化作用はビタミンEの1000倍と言われており、トマトが強い太陽光を浴び続けても腐らない(酸化しない)でいられるのもリコピンの効能によるものだと考えられています。参考サイト)飲む日焼け止め SOS