ドラキュラの出る夜

色白のドラキュラが光に弱いワケ

人の肌の色はメラニンの種類と量によってきまっており、様々な人種が進化する過程で、それぞれの場所の日照時間などの環境に応じて紫外線からの害から身を守るために肌の色が決まったと考えられています。ドラキュラメラニンは紫外線を吸収し、紫外線の侵入をブロックする働きがあることから、赤道付近に近く日照時間の長い国などに肌の色が濃い人が多いのはそのためです。また、ヨーロッパや北アメリカなどの白色人種の地域では昔から紫外線による皮膚疾患が深刻で、皮膚ガンを患う人の割合は黄色人種や黒色人種に比べて高いと言われています。そのような背景から、白い肌であるドラキュラが太陽光線を嫌う理由には一理あるといえるでしょう。




悪魔の退治には太陽光線!

ドラキュラだけでなく、悪魔などの〝悪い生き物〟は全般的に太陽の光に弱いというイメージがありますが、実はその効果は実際に利用されています。紫外線にはUVA、UVB、UVCという三種類がありますが、その中のUVCはバクテリアやウイルスの殺菌効果が高いとして、さまざまな製品に応用されています。観賞用水槽や、生け簀などの業務用水槽には水中のバクテリアを殺菌し、繁殖させない方法としてこのUVCを使った浄水システムを搭載しており、UVCの高い殺菌効果によって水中の菌の繁殖を抑制しています。

太陽に当たって灰になるのはドラキュラだけではない

光にあたって灰になる
太陽光線に含まれる紫外線には細胞をつくっている原子を変化させ、フリーラジカルという活性酸素の一種を生成させる働きがあります。このフリーラジカルの生成によって周りの細胞が酸化することで、細胞の変形や死滅などが起こると考えられており、それによって肌にシワやタルミを引き起こします。この原因になるのがUVA波(三つの紫外線のなかで最も波長が長いもの)だと言われており、UVA波は秋~冬にかけてもほとんどピーク時と変わらない照射量があるとされ、肌の深部まで入って細胞にダメージをあたえますが、肌の表面には赤みなどが現れないのが特徴で、自覚症状のない多くの人がこのUVAによって〝気付かないうちに光老化〟している可能性があるといえます。このUVAによる光老化は雨や曇りの日などにも起こるため、炎天下にいるわけでもないのに肌のコンディションが悪いという人はこのUVAによる光老化を起こしている可能性があります。