従来型の〝塗る日焼け止め〟と最新型の〝飲む日焼け止め〟その原理の違いとそれぞれのメリット / ディメリットはなんなのでしょうか?
塗るタイプで紫外線を防ぐしくみとは?
まず、塗る日焼け止めに共通して含まれている成分とその特徴について説明していきます。
- 酸化チタン
- 金属の一種で、太陽光(紫外線 / 赤外線 / 可視光線)を乱反射させます。紫外線を反射することで日焼けを防ぎ、赤外線を反射することで太陽光線による熱反応を抑制します。
- 酸化亜鉛
- 金属の一種で、酸化チタンと同じく可視光線・不可視光線を反射します。また、緩やかな殺菌効果があります。
- サリチル酸オクチル / ジメチルPABAオクチル
- 紫外線を吸収し、熱に変換する作用のある〝紫外線吸収剤〟とよばれるもので、その作用によって紫外線が肌細胞に侵入するのをふせいでいます。
このように塗るタイプの基本原理としては、金属のこまかい粒子を肌に塗ることで太陽光線を鏡のように〝反射〟すること+熱に変換することで、日焼けを防いでいるといえます。
飲むタイプで紫外線を防ぐしくみとは?
次に飲むタイプを見ていきましょう。
- ◎抗酸化物質(植物由来)
- 紫外線による肌細胞の酸化を抑制し、酸化した細胞を還元(抗酸化)することによって肌細胞の〝光老化〟を軽減します。
- 色素成分(植物由来)
- 太陽光を吸収する作用のある色素成分を摂ることによって肌細胞に侵入する紫外線をへらす働きがあります。代表的なものとしてリコピンやクロセチン、ルティンなどがあります。
- ビタミン類
- ビタミンは抗酸化作用があるのと同時に、新しい肌細胞を生成するための新陳代謝を高める働きがあります。また、紫外線のダメージによって発生する不要な物質を効率的に排出することで肌細胞の免疫力を高めます。
飲むタイプでは紫外線そのものを物理的に反射するのではなく、肌細胞を〝抗酸化作用〟と〝色素成分〟によって強化・ブロックして肌そのものの機能をたかめ、日焼けしにくくするという原理です。
どちらを選ぶ???
二つの日焼け止めは成分もそのアプローチも全くことなります。中にはどちらかだけを使用して効き目がない!と言う人もいますが、効果的に日焼け防止をするためには両方をうまく活用することも必要でしょう。塗る日焼け止めのSPF値PA値などは含まれている金属量に比例していると考えることができ、必ずしも値が高いものが肌にとって良いものであるとは言えません。一方飲むタイプの日焼け止めは体に優しい内側からのアプローチが魅力ですが、天然成分ゆえの効き目の緩やかさが不十分だと感じる人もいるかもしれません。両方をバランスよく活用して体に負担のない日焼け対策を目指してはいかがでしょうか。