活性酸素=フリーラジカルではない!?

フリーラジカルとは

一般の電子のように、軌道に2個ずつの対になっておらず、電子1個のみの原子や分子を「フリーラジカル」と言います。
フリーラジカルは2つあるはずの電子を1つしか持ち合わせていません。この自分に足りないものを自由に積極的に奪いにくというのが、フリーラジカルの性質の為、既に対になっている他の分子から自分の電子にするために、一方を奪い取り、安定しようとします。

フリーラジカルにより電子を奪われてしまった分子はや原子は、「酸化」という状態になります。

体内で生成される主な活性酸素

  • スーパーオキシド
    一般に体内で最も多く発生する活性酸素で、反応性が低い反面、毒性の強い活性酸素(ヒドロキシラジカル等)に変化する可能性が高い
  • ヒドロオキシラジカル
    活性酸素としての寿命は最も短いが、活性酸素の中でも最も毒性の強い活性酸素
  • 過酸化水素
    寿命は短く、殺菌剤として使われることが多い
  • 一重項酸素br/>紫外線に当たることにより発生する毒性の強い活性酸素で、他の活性酸素へとどんどん姿を変えていく

フリーラジカルと活性酸素は同じ意味と捉える場合が多くあるようですが、上記活性酸素のうち実際にフリーラジカルと呼ばれるものはスーパーオキシドとヒドロオキシラジカルの2つです。

一つの抗酸化物質で全活性酸素を抑制・消去できるわけではない!?

抗酸化作用物質は、オールマイティーカードのように、全ての活性酸素を除去できると思われがちですが、やはり、活性酸素ごとに効果のある抗酸化物質というものが存在します。

一般に呼吸したり、紫外線に当たることで体の中で日々、活性酸素が発生します。
この時点で、紫外線により発生した活性酸素は一重項酸素という活性酸素に変化します。
この一重項酸素には一般に効果があると言われるSODの抗酸化物質よりも、パプリカやトマトに含まれる、リコピンやαリポ酸、エビや鮭に多く含まれるアスタキサンチン等が抗酸化物質として効果的に働きます。これらの抗酸化作用により、一重項酸素を消去することが出来ます。

一方、摂取した三大栄養素が呼吸で取り入れられた酸素によりエネルギーに変換される時に発生する活性酸素をスーパーオキシドと言います。
この活性酸素は抗酸化物質SODにより過酸化水素に代わり、大根やニンジン、カボチャ、ごぼうやキャベツといった野菜や梅干等に含まれるカタラーゼやベルオキシターゼ、肉類や小麦胚芽などに含まれる、グルタチオンといった抗酸化物質により、水や酸素に代わります。

しかし、過酸化水素が上手く消去されなかったり、金属元素と反応することで、ヒドロオキシラジカルという活性酸素の中でも最も毒性の強く、生活習慣病や癌、慢性疾患や老化の原因となる活性酸素を発生させてしまいます。

このヒドロオキシラジカルと一重抗項酸素は脂肪を酸化させ、過酸化脂質(別名、悪玉コレステロール)を生成し、皮膚や血管の老化現象を引き起こします。過酸化脂肪は、一度体内に溜まると自然には排出されず、次々と過酸化脂質を発生(過脂化)させていきます。
この場合、脂質が過酸化脂質になるのを防ぐのは、ビタミンC、ビタミンE、アスタキサンチンといった今までとは違った抗酸化物質になるのです。