チロシナーゼの不活性化

肌の色合いはメラニンの生成量によってきまりますが、コウジ酸はメラニンを生成するチロシナーゼが働くために必要となる銅イオンを奪い去る働き(キレート作用)があることから、それによって肌にシミやくすみを起こすメラニンの生成そのものの発生を抑制する美白効果があります。

肌の糖化を防ぐ

糖化は血液中の糖分がタンパク質と結合することで肌のうるおいを担うタンパク質(コラーゲンやエラスチン)を硬化させるという現象ですが、硬化とともに黄褐色化すると考えられています。
コウジ酸は糖化を防ぎ、肌への色素沈着を防ぐ効果があると考えられています。

肌色と肌疾患

黄色人種紫外線メラニンは肌色を決定する要因になる色素成分で、紫外線を吸収して肌へのダメージを防ぐ役割をになっています。欧米人などの白色人種はメラニンの量が少ないため、日本人と同じ紫外線量を浴びても皮膚ガンや炎症(サンバーン)などが起きやすい体質で、欧米では肌疾患に有効な成分の研究が古くから行われてきました。
その結果として、主にヨーロッパ、アメリカで自生 / 栽培される植物や果物の抗酸化物質が注目されるようになり、肌への抗炎症効果が高いとしてサプリメントなどに配合され、販売されています。

紫外線耐性 メラニン量 サプリメントに求めること
白色人種 弱い 少ない ・サンバーンの緩和
・肌疾患の予防
黄色人種 比較的強い 比較的多い ・飲む日焼け止めとしての効果
・美白効果










美白のメカニズムとその種類

美白に効果のある方法としてはつぎのようなものがあります。

  1. 肌の酸化を食い止めることでチロシナーゼの活性化を防ぎ、メラニンを生成させない
  2. メラノサイトに入り込み、チロシナーゼを不活性化することでメラニン生成を抑制する
  3. メラニンの褐色化をさせない
  4. 褐色化したメラニンを無色化する
  5. 肌細胞の代謝を高め、ターンオーバーを促進する

コウジ酸の効果は
2. メラノサイトに入り込み、チロシナーゼを不活性化することでメラニン生成を抑制する
に該当します。

肌関係の用語まとめ

メラノサイト・・・肌表面でメラニンの生成を行う細胞。別名はメラニン細胞。
チロシナーゼ・・・メラノサイトの中に存在している酵素の1種。メラニンを作る働きがある。細胞内の活性酸素が増えると活性化してメラニンの生成をはじめる。
メラニン・・・紫外線A派を照射され酸化することで褐色化する色素成分。肌の酸化の害を防ぐために細胞の表面で紫外線を吸収し、日傘のような役割を担っている。通常は役目を終えるとターンオーバーとともに排出される。
活性酸素(フリーラジカル)・・・紫外線などのストレスによって細胞内に発生する不安定な分子や原子。釣り合わない電子をまとっていることが特徴で、安定を求めて他の原子や分子から電子をうばう性質があり、それによって酸化の害が広がる。
抗酸化物質・・・活性酸素(フリーラジカル)の分子や原子に電子を分け与えてもとの安定した状態に戻す作用のある物質。ポリフェノール(エラグ酸)やβカロテンなどが代表的。

美白