アルブチンは果物の梨やサンタベリー、ウワウルシ(クマコケモモ)、マッシュルームなどに含有される天然成分の1つです。成分の構造として、ハイドロキノンに糖が結合した形をもっていることから、肌細胞においては一部がハイドロキノンとして作用し、ハイドロキノンど同様の美白効果をもたらします。
アルブチンの種類
アルブチンには2種類があります。
- α-アルブチン(アルファアルブチン)
- 配糖前のハイドロキノンにブドウ糖を結合したもので、ベータアルブチンと比較すると10倍程度の美白作用があると考えられています。α-アルブチンを人工的に量産する技術を開発したのが江崎グリコです。化粧品に使用されるアルブチンのほとんどがα-アルブチンです。
- β-アルブチン(ベータアルブチン)
- ウワウルシ(クマコケモモ)に含まれる成分です。
美白効果
アルブチンはその前体であるハイドロキノンとの効果が比較されますが、簡潔に表すとこのようになります。
βアルブチン(1/10) < αアルブチン(1/10~1/100) < ハイドロキノン
どのような人に向いている?
- 紫外線による日焼けを抑えたい
- 新たなシミの発生を予防したい
- 肌に安全な美白ケアをしたい
色素沈着はメラニンが過剰生産されることや、肌細胞の入れ替わり(ターンオーバー)が滞ることによって起こりますが、アルブチンはメラニン生成を行うチロシナーゼの働きを阻害する作用があることから、美白化粧品の有効成分の1つとされています。
アルブチンと一緒にピーリング効果の高い成分が配合されることが多いのは、物理的に肌表面のメラニンを取り除く作用と、細胞の内側からメラニンの生成を抑えるダブルの効果によって美白効果を高めるためです。
またアルブチンはハイドロキノンと比較して効果が緩やかで、肌への刺激がすくなく副作用の心配がないことから、美白ケアを安全に行いたい人や、敏感肌の人にもオススメできる成分です。
漢方としての利用
アルブチンは煎じて服用することで様々な効果をもたらす成分として、漢方薬にも配合されています。漢方薬に使用される原料としてはウワウルシの葉が一般的です。
アルブチンは体内に入ると一部が分解されハイドロキノンになりますが、ハイドロキノンは殺菌作用があることから尿に溶けて膀胱の感染症を予防したり、利尿作用を高めて尿管結石を予防するなどの効果があります。